ガイドブック
旅行のガイドブックではなく、オーストリアワインのガイドブックのことです。
フランスワインなどのガイドブックは多く出版されていますが、オーストリアワインとなると格段に少なくなります。私が知りうる限り、オーストリアワインのガイドブックと呼べる物は4冊、正式に出版されている物は3冊しかありません。
これほど情報が少ないのですから、オーストリアでワインが造られていることを知っている人の数が少ないのも納得できます。
新自然派ワインを求めて オーストリアワインの魅力
2009年出版 柴田書店 前出、オーストリアワイン ガイドブックと同じ、岩城ゆかりさんが書かれています。 著者が言うように、オーストリアワインのシーンはここ10年で劇的に変わってきています。この本は著者のいうところのスター・ワイナリーばかりを取り上げています。が、しかし、10年前にこんなワイナリーが存在したでしょうか?勿論、殆どのワイナリーは、10年どころか、もっと長く続いているところです。でも、ポテンシャルが違うのです。 著者と一緒に驚き、発見してください。 |
![]() |
オーストリアワイン ガイドブック
2005年出版 美術出版社 日本初のオーストリアワインのガイドブックと謳っていますが、それは本当とは言い難いところです。しかしながら、内容的には前出の2冊を越えています。葡萄栽培地域だけでなく、各ワイナリーの情報も充実しています。 ただホイリゲを否定的に扱っているところは、やはりワイン専門家の宿命かもしれません。フランスワインなどでワインを学んだ者にとって、オーストリアのワイン文化は少し異質なようです。よくできた葡萄を熟成もせずに、どうして新酒で全部飲み尽くしてしまうの?随所で作者の疑問の声が聞こえてきます。ボトリングされたワインの商業ベースでとらえるところも、やはりフランス病の傾向があります。 また、売れなければならない出版物の宿命として、音楽とワインを結び付けようとしている所(冒頭のみだが)はいささか無理があります。 |
![]() |
オーストリアワインと文化
2000年頃出版 オーストリア ワインと文化の会 オーストリア航空の機内などで無料配布されていました。日本語で最初の、オーストリアワイン専門の本格的なガイドブックです。ただし、ドイツ語版から翻訳されたものなので、翻訳に多少の不備が見受けられます。 この小冊子を出した頃から、オーストリア政府は本格的なワインのセールスを日本で展開し始めています。オーストリア大使館商務部主催のワインティスティングが、東京と大阪で開催されたのもこの頃です。 この本は無料ながら、各葡萄栽培地域の詳しい地図、気候、土壌などの条件、および生産されているワインの特徴を詳しく掲載しています。私は長きにわたり、この本を頼りにワインの村を歩いておりましたので、製本が解けてバラバラになってしまっています。 |
![]() |
世界のワイン オーストリア・スイス・東欧
1990年出版 日本テレビ放送網株式会社 私が知りうる限り、日本最初のオーストリアワインのガイドブックです。スイスや東欧のワインも紹介されてはいますが、大半はオーストリアワインに充てられています。A4版なので、ホイリゲやワインの村の写真も見ごたえがあります。 また、ホイリゲを肯定的に扱っている部分も好感がもてます。しかし、かなり古くなってしまいましたので、販売もされていませんでしょうし、ヴィンテージリストも役に立たなくなりつつあります。 |
![]() |