グラーベンから王宮へ少し遠回りしてみる
ナーグラー小路(Nagler Gasse)

旅行者なら必ず訪れるウィーン中心部のショッピング・ストリート、グラーベン(Graben)。ここから王宮(ホフブルグ:Hofburg)まではコールマルクト(Kohlmarkt)を通れば5分程度ですが、コールマルクトを通らずに少しだけ遠回りして、カフェ・ツェントラル(Caf
Central)の入っているフェルステル宮(Palais Ferstel)を経由するコースです。歩いて30分程度余計にかかります。(勿論、各所をじっくり見学すれば、1時間程度は余計にかかるかもしれません。)それだけで、しっくり落ち着いた古い町並みを楽しむことができます。
スタートはグラーベンの西側の突き当たりにある高級デリカッセンのユリウス・マインル(Julius Meinl)です。ちょっと高めですが、食料品ならワインからお菓子まで何でも揃います。ワインはオーストリア各地のものが揃い、品揃えも充実しています。地下にはワインバーもあります。オーストリア名物のコンソメスープやグラーシュ(Gulyas)の素等もあります。グラーシュの味はなかなか出せないので、これはかなりお勧めです。またオーストリアのスーパーでは買物袋は有料ですが、ここは高級デリカッセンだけあって袋は無料のうえ、ワインは1本1本割れないようにやわらかい紙で包んでくれます。
グラーベンの西側の突き当たり、ユリウス・マインルの前から南側(コールマルクト)を見ると王宮はすぐそこです。が、ここはユリウス・マインル横の細い小路に進んでください。このナーグラー小路は昼間でも日が差さなくて薄暗い感じがしますが、人通りもそこそこで観光客も多いので安心してください。
小路にはアンティーク・ショップや宝石店、インテリア・ショップ等があります。ウィンドウ・ショッピングを楽しむのもいいですが、ここは町並みに注目してください。古いウィーンの雰囲気がそのまま残っています。その殆どが17世紀頃のバロック期に建てられたものだそうです。
小路の中程には南北に抜ける小路があり、北側を見るとかなり大きな広場があります。これがアム・ホフ(Am Hof)です。
南側は坂道になっていて、下っていく途中に古いワインケラー、エスターハージィーケラー(Esterhazykeller)があります。ピンクの建物です。このケラーは地下深く、入口を入るとかなりの段数の急な階段を下らなければなりません。大戦中はレジスタンスの隠れ家にも繋がっていたといわれています。ワインケラーに行くふりをして、地下で連絡を取り合っていたわけです。地下深く、石造りのケラーで味わうワインもなかなかいいものです。ただしここの料理はいまいち、とても美味しいとは言いがたいです。特にサラダは酸味がきつすぎます。ここはホイリゲ方式で運営されていますので、ワインはテーブルで注文し、料理は階段を下りてすぐ横のカウンターで購入してください。ホイリゲの街中版だと思えば、料理の味も気になりません。
坂を下りきると、ビアホフ(Bierhof)というビアレストランがあります。私はビール党ではないので入ったことはないのですが、夏場は店前の小さな広場にテーブルが並び、ちょっとしたビア・ガルテンといった感じでいつも賑わっています。ちなみにオーストリアのビールもかなりのハイレベルです。ビール党の方はぜひ試してみてください。
ナーグラー小路に戻ります。小路の西側は大きく北へ向けてカーブしています。このカーブが始まる辺りに、かなり面白い品揃えのインテリア・ショップがあります。店構えは町並みにしっくり馴染んでいるのですが、品物はかなり面白みがあります。この店は日本式の1階と地階があります。通りからは地下の売り場も覗くことができる構造になっていますので、興味のある方は覗いてみてください。面白いですけど、あのようなインテリアを家に置くと、私は落ち着かないかもしれません。
カーブは坂道になっており、曲がりきると、右手には蝋燭専門店、左手には日本食レストランがあります。蝋燭店は宗教的なものも(カソリックでは自身を燃やして、回りを照らしたり暖めたりする蝋燭は、大切なアイテムの1つです。)、日常使えそうなシンプルなものも置いています。小路のウィンドウに飾っているのは、宗教色が強いものが多いです。
日本食レストランはウィーン市内に何店舗か展開しているチェーン店の1つです。Akakikoという日本人には?な名前なのですが、当地の受けは悪くないらしく、客の入りはまずまずです。日本人は少ないかもしれません。店の構えはかなり東洋チックで派手なのですが、小路に面している側はそれほどでもありません。
ここで車通りの多いフロゥング(Freyung)に出ます。ここは左手(西側)に進んでください。細い通り(のわりに車通りが多い)を渡り、すぐ左手の大きな建物がフェルステル宮(Palais Ferstel)です。ここはアーケードになっていて、イタリアンレストランやインテリア・ショップ、そしてカフェ・ツェントラル(Caf
Central)が入っています。
このフェルステル宮の前の広場でも時々市が開かれています。食品関係が多いような気がします。向かい側のモダンな建物はオーストリア銀行のギャラリーで、時々展示会が行われています。広場の向こうにはショッテン修道院(Schottenstift)も見えます。
ところでフェルステル宮ですが、建物も古く雰囲気もいいのですが、中に入っている店の中には、ナーグラー小路のインテリア・ショップと同じように、どうにも居心地の悪そうな品物を揃えているところがあります。オーストリアの方には受けるのでしょうか?建物の雰囲気ともアンマッチしていて不思議な感じです。
カフェ・ツェントラルへはアーケードから直接入ることもできます。アーケードの外に出ず、天窓から光の降り注ぐ噴水のところを左に下りてください。内部からの入口があります。カフェ・ツェントラルは作りも豪華ですが、客層も観光客を除けばかなり上流志向です。できればおしゃれして入りたいカフェです。
カフェ・ツェントラルの正面から真直ぐに歩いて行くと、王宮(ホフブルグ:Hofburg)の正面に出ます。
ホフブルグの正面に向かって右手にはカフェ・グリーンシュタンドル(Caf
Griensteidl)、後ろはロースハウス(Looshaus)、左手にはミヒャエル教会(Michaelerkirche)があります。
少し遠回りした散歩もここで終わります。