ムージウム・クォーター(Museums Quarter)
2001年に新しくオープンしたウィーンの新しい芸術スポットです。他の美術館と違い建物自体も現在的というか、前衛的な異空間となっています。広場には形容しがたい形のベンチが並んでいます。ショップで販売されている小物類も奇妙で、色も奇抜です。ただしここを取り囲む事務所やショップの入っている建物だけはウィーン風というか、以前ここにあった展示場の面影を残していて街にしっくりと溶け込んでいます。
ここには各美術館や事務所の建物など4ヶ所にカフェもあります。それぞれ違った志向のカフェです。少しだけウィーンのカフェ文化に触れながら、観光中の休憩にもいいかもしれません。
行き方
地下鉄2番線のムージウム・クォーター(Museums Quarter)駅または、フォルクスティアター(Volkstheater)駅下車すぐ。
ホフブルグ(王宮:Hofburg)や国立オペラ座(Staatoper)から歩いても10分程度です。
レオポルト美術館(Leopold Museum)
芸術好きの歯医者さん、レオポルトさんが集めたコレクションを展示しています。個人のコレクションと思って甘く考えていると、その規模と素晴らしさに打ちのめされてしまいます。ここをじっくり鑑賞したいなら最低2時間、エゴン・シーレ(Egon Schiele)が好きなら半日は必要です。
コレクションはシーレやグスタフ・クリムト(Gustav Klimt)、および彼らと同年代のオーストリアの画家のものが中心となっています。Kino_San個人の意見ですが、好きな物を買える範囲で少しだけ(かなり?)無理をして買いまくった、という感じです。
ぜひシーレやクリムトだけでなく、別の画家達の絵もじっくり鑑賞してください。
またこの美術館は奇妙な四角形をしていますが、この建物自体もかなりの見ものです。中央の吹き抜け、ウィーンの街を絵画のように切り取った四角い窓、特にシーレの展示室からのシュピテルベルグ小路(Spittelberggasse)方向は素晴らしい眺めです。
この美術館の最大の売り物はシーレの世界最大級のコレクションで、最上階に展示されています。シーレの作品を見るだけでも相当な時間と気力が必要です。有名な自画像が多く展示されています。正直、シーレの人物画は苦手で、見ていると身を裂かれるような気分になるのですが、風景画はゆっくり鑑賞できるものが多いので、ここへ行くと意外と時間がかかってしまいます。
特に「夕暮れ(Versinkende Sonne)」は、ゆっくりと包み込むような夕暮れの風景が、懐かしい何かを感じさせてくれます。全体に落ち着いた桃色で構成されているのですが、子供の頃に見た夕暮れの色ってこんな感じではなかったかと思わせてくれます。「スティン(Stadt Stein)」も全体に淡い黄色で構成されており、なんとなく静かな気持ちにさせてくれます。勿論、風景画にもシャープな感じのシーレらしい作品もありますが、多くの風景画は人物画のシャープな感じとは対極にあり、同じ画家なのに不思議です。
シーレは多くの風景画を画いています。有名な人物画だけでなく、できれば風景画も堪能してください。
クリムトの絵は1階に展示されています。数は非常に少ないですが、かなり貴重な珍しい画風のものがあり、この美術館はクリムト・ファンにもお勧めです。「死と生(Tod und Leben)」は、Kino_San個人の意見はとにかく、有名ですのでぜひ鑑賞してください。他は風景画となります。数枚ありますが、この中の3枚がクリムトとしては非常に風変わりで、ぜひ見ていただきたいと思っています。
「カマー城公園の静かな池(Stiller Weiher)」は、まるではさみで切り取ったように風景が中途半端な位置までしか描かれていません。画面いっぱいに大きく描かれた池に写るその姿を見て、全体像を創造しなければなりません。クリムトの風景画は、キャンパスに全体像を描ききらないで、ある部分で切り取ったような感じのものが多いのですが、この絵ほど中途半端な部分で切り取られたものはありません。しかしながら、水面に移る風景は樹の形から雲まで完全で、水面の美しさが伝わってきます。
「嵐の前(Aufziehdes Gewitter)」は非常に暗く、今にも雷雨になりそうな気配を十分に感じさせてくれます。クリムトの風景画は、明るい農村または湖の絵が多いのですが、この絵だけは非常に暗く、同じ展示室に展示されている「死と生」の「死」よりずっと恐い何かを感じさせてくれます。
「アッター湖(Attersee)」は非常に奇妙な絵です。クリムトは恋人エミーリエ・フレーゲとよくアッター湖畔で過ごしたため、アッター湖の絵は多く描いています。ただし、この絵はアッター湖しか描いていないのです。正確に云うと、アッター湖の湖面の波紋だけ描いており、僅かに上の方に対岸らしき緑と、半分に切り取られた太陽が描かれています。実に奇妙な絵です。Kino_Sanは個人的に「ソラリス(Solaris)」と呼んでいます。
関連サイト
レオポルト美術館の公式サイト(ドイツ語、英語、日本語の簡易説明あり)
ルートヴィッヒ近代美術館(MUMOK:Museum Moderner Kunst Siffung Ludwing Wien)
ポップアートや現代美術を展示しているとのことですが、その方面に興味がないので1度も見たことがありません。見学次第紹介します。
関連サイト
ルートヴィッヒ近代美術館の公式サイト(ドイツ語、英語)