夜が長すぎて イルミネーションの季節

ウィーンの夏、陽は長い。午後8時ならとにかく、9時になっても陽が射していることがある。だからホイリゲの庭先で楽しむ時間も長くなるという訳だ。
さて、夏の昼間が長いということは、冬は逆になるということだ。つまり陽は短く、午後3時頃には完全に陽が落ちて夜になってしまう。勿論、朝も遅い。午前10時頃にならないと昼間という気がしない。
こんな陰気な冬、長くて寒い夜を過ごすのは、そんな冬に慣れていない外国人はとにかく、オーストリアの方だって嫌に違いない。なんとか明るく乗り切ろうとする。ここで登場するのがイルミネーションだ。ウィーン市内なら、よほどの裏道はとにかく、主要ショッピング・ストリートだけでなく、かなり小さな通りにも、いろいろなイルミネーションが飾られる。
我々外国人にとって、イルミネーションはクリスマスのためという感じが強いし、事実そうなのだが、それだけが役割とは限らない。暗くつらい冬を乗り切る、それなりの努力の結果なのだ。
クリスマスは元来冬至の祭りが原点とも云われている。キリストの誕生日ということになってはいるが、実際の誕生日は違うようだ(本当の事は不明のようだが)。最も夜の長い冬至の季節に、光で夜の街を満たす。先人の知恵と言えなくもない。

まだ遅くない午後5時頃、細い路地のイルミネーションを見上げる。息が白く凍る。雪でもちらついてきたら、冬らしくて最高だ。

Kino_Sanの独り言 目次へ戻る