カーレンベルグ(Kahlenberg)からのハイキング 初めて道に迷う
こんなことを自慢しても仕方ないが、私は道に迷ったことが殆どない。皆無と言ってもいい程だ。以前に「話を聞かない男、地図が読めない女」(だったかな?)という本も流行っていたようだが、私は地図を読むのも得意だ。始めての街でも東西南北がすぐに分かる。地図があればいいが、なくても最初の地点に帰って来られるのだ。
このサイトで紹介している町や村に行った時も、だいたいにおいていい加減に行っている。ガイドブックなどには掲載されていないところが大半だから、前もってインターネットでサイトを探したりはするのだが、基本的には自分の勘が勝負だ。つまり、「こっちへ行けばホイリゲがありそう。」とか、「こんな通りにホイリゲあるのよ。」って感じで歩きまわっている。
そんな私が不覚にも1度だけ、ウィーン市内で道に迷ったことがある。しかも、迷いそうもないカーレンベルグからグリンツィング(Grinzing)に徒歩で降りた時なのだ。今思っても、バカというか、考えられない間違いを犯してしまった。多いに反省している。
最初は順調だった。天気はいいし、さほど暑すぎず、歩くには悪くない日だった。それにカーレンベルグの丘からは、グリンツィングへの道しるべもあるし、迷いようもない状況だった。森の中の階段をおり、葡萄畑の中を歩き、「ワインあります。」というホイリゲの看板などを見ながら麓の街まで出た。まだグリンツィングへの道しるべはある。矢印の方向へ歩いていった。
小川沿いの小道を歩き、運命のT字路に出た。東へ行くか、西へ行くかである。道しるべはない。丘から降りてきたので、私は自分の歩いた距離、特に東にどれぐらい歩いたかの検討を誤ってしまったのだ。その道で西に行くべきだったのである。でも私は東に行ってしまった。人生最大(おおげさかな?)の不覚である。
私はハイリゲンシュタット(Heiligenstadt)へ向かっていた。というか、その真っ只中にいた。だから、何時まで歩いてもグリンツィングには着かない。流石の私も10分も歩けば、なんとなく間違いに気が付き始めた。でも、こういう経験がないので、戻っていいものか自信が持てない。仕方なく、そのまま歩き続けることにした。最悪、ハイリゲンシュタットの駅まで行くつもりになっていた。
そして路面電車の終点に出た。ベートーベンガング(Beethovengang)だ。乗ったことのないコースだが、南駅(S
dbahnhof)行きの路面電車が来た。少なくとも市の中心部には出るはずだ。私はその路面電車に乗り、結局グリンツィンガー通り(Grinzinger Stra
e)で降りた。そしてグリンツィングに歩いて行った。まぁ、当初の目的は達成した訳だ。
だが人間、経験がないとパニックに陥ってしまう。グリンツィングに着かない時のあの不安。今思い出しても、夜中にうなされそうだ。