週末はハンガリー(Ungarn)で買い物 ソンバトヘイ(Szombathely)

まだ、オーストリアもハンガリーもEUには加盟していなく、国境の検査、特に税関での検査が厳しかった頃の話である。
ある日、パパとママが「買い物に行こう。」と言い出した。シュタインアマンガー(Steinamanger)へ行くという。知らない名前だ。地図にもない。詳しく聞くとハンガリーだという。ハンガリーの東部、オーストリアとの国境からすぐらしい。しかしハンガリーの地図にもそのような町はない。かなり?マークでいっぱいになっていた私は、彼らにハンガリーの地図を見せた。指差したのはソンバトヘイ、かなり大きな町だ。しかし、何故、シュタインアマンガーなのか?
話は長くなる、簡単に言うと、ハンガリーは昔オーストリアの一部であった。パプスブルク帝国ですね。そのころは領土の町にドイツ語流の名前を付けて呼んでいた。ソンバトヘイはシュタインアマンガーと呼ばれていた。そして今尚、オーストリア人の多く(特に年配の方)は呼び名を改めてはいない。ソンバトヘイはあくまでシュタインアマンガーであり、ハンガリー流の名前なんて関係ないのだ。
さて、私達はシュタインアマンガーへ行く。道は決してよくない。というか、農道でしょう?国境を目指すとなると、イメージの中では高速道路を一気に、って感じなのですが、高速道路は途中で終わる。あとは田園風景の中、トラクターが走っていてもしっくりくる細い道を行く。国境の検問所だってある。農道の中にひっそりと、まずオーストリアの検問所、畑の中を暫く走りハンガリーの検問所を通過する。しかし、畑?農夫が作業していた。あれはどちらの国なのか?
ハンガリーに入ると、道はさらに悪くなる。アスファルトがひび割れて、車がガタガタ揺れる。時々、お土産物屋が目に付く。ハンガリー特有の麦藁細工を店の前にいっぱい並べている。
ソンバトヘイ、つまりシュタインアマンガーは大きな町だ。旧市街を取り囲むように、新興住宅地(団地)が広がっている。ウィーンとの違いは、その新興住宅地がちゃっちぽい所だ。
さて、話は進んでいるが、何故、わざわざこんなところまで買い物に来るかだ。ハンガリーは物価が安い。その頃は半額以下だった。加えて闇両替が横行していて、かなりいいレートで両替できる。ドイツ語もだいたい通じる。不便はなにもない。オーストリア人にとっては買い物天国と言うわけだ。だから、日常品、高級品(ハンガリーは焼物とか、ガラス細工とかが有名ですよね)を買いまくる。レストランも安い。かなり食べても、びっくりする程リーズナブルだ。だからハンガリーへ買い物に行く。
パパとママが住んでいたのはウィーンの南部だったのでハンガリーだが、北部の人はスロバキアが多いらしい。スロバキアの首都ブラチスラヴァ(Bratislava)はウィーンから近い。そして大都市だ。
問題は帰りである。持ち込みが制限されているから、税関をどううまく通り過ぎるかが勝負である。私も手伝って、我々は無事、再びオーストリアに入る。
「この子が日本から来ていて。ハンガリー観光に行ったんだよ。」
カメラを手に私はにっこり微笑む。それでなくても彼らには、日本のパスポートが珍しくて確認作業が手間取り、トランクの中身まで気が回らない。
これで戦利品は我々のもの。家に帰れば、ワインの肴に美味しいサラミが待っている。

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