夏は夕立にご用心 ホイリゲの以外な落とし穴
日本の夏の風物詩の1つに夕立があるが、オーストリアも例外ではない。特によく晴れた日は気をつけた方がいい。夕暮れ近くになってから(その夕暮れがまた遅い訳ですが)、遠くから雷の音が聞こえ始め、雲が急に濃くなり(日本のような入道雲ではない)、いきなり凄い雨が降り出す。
夏の夕暮れはホイリゲだ。やっぱり庭の席がいい。葡萄畑の緑を見ながら、ゆっくり飲むワインは最高だ。でも、そんなのどかな時にも、夕立はやって来る。来る時は来るし、来ない時は来ない。一種のかけと同じだ。
夕立がやって来ると、人々は自分のワインと食事を持って、一目散に室内の席を目指す。他に残された道はない。いきなり室内がにぎやかになる。庭の席は人々が逃げた後の残骸を残すのみである。
ホイリゲによっては、一応庭ではあるが、屋根(軒下のような感じ?)のある席を設けたり、日除けもかねたオーニングテントを設置しているところも少なくない。でも、何もない所の方が圧倒的に多い。
その時も、村に行く列車の窓から、嫌な感じの雲が見えた。駅を降りた時はすっかり曇って、石畳には黒い点々が目立ち初めていた。「きた!」私は心の中で叫んで、とにかく走った。ホイリゲを選んでいる余地はない。とにかく、1番最初の電球の点いているホイリゲの軒下に走り込んだ。こうなると、もうそこしかない。とにかく中の席に着きワインを頼む。窓の外をうかがいながら、ゆっくりとワインを飲む。
日本人には以外かもしれないが、ホイリゲにクーラーはない。そもそも、普通の家にもクーラーを設置しているのは稀である。夕立が来た時は湿度も急に上がる。しかも直前までよく晴れていたので、当然気温も高い。人々の熱気も加わって、室内は蒸し風呂とはいわないが、結構暑苦しい。窓を開けるには雨が激しすぎる。冷えたワインの恩恵にすがるしかない。
ワインを2杯飲み終える頃には雨も上がる。きつい夏の日差しが戻ってくる。私はホイリゲを出て、帰路につく。村の中を散策するには、少しだけ飲みすぎたからだ。