人混みが苦手なだけです サルツブルグ(Salzburg)

モーツァルト(Wolfgang Amadeus Mozart)の生誕地として、カラヤン(Herbert von Karajan)縁の地として、音楽祭が開催される町として、サルツブルグは有名である。サルツブルグと呼ぶことを許してほしい。日本ではザルツブルグと呼ぶようだが、オーストリアではSは殆ど濁らない。サルツブルグである。どうして、ザルツブルグと呼ぶようになったのか?ドイツ的発音か?真意は良く分からない。ただ、ウィーン(ドイツ的にはヴィーン)をオーストリア的に呼んでいるので、町が紹介された時に理由でもあったのであろう。
さてサルツブルグ、直訳すれば塩の山である。古くから岩塩の交易で栄えていた。財政も豊かで、寄進も多かったのであろう、ウィーンに司教座が置かれるはるか昔から司教座が置かれていた。町を見下ろすようにそびえるホーエンブルグ城(Festung Hohensalzburg)は司教の居城であり、サウンド・オブ・ミュージックにも登場するミラベル公園(Schloss Mirabell)は、司教の夏の離宮というか彼女が住んでいた宮殿である(司教に彼女とは話しずらいものですが)。モーツァルトの父親はこの司教に使える楽団の一員であった。モーツァルト自身も最初は司教の庇護を受けていた。サルツブルグの音楽は豊かな財力を持った司教なしには成り立たなかったのである。
サルツブルグは小さな町である。町の周りを小高い山が囲み、中心にはサルツッハ川(Salzach:ドナウ河の支流)が流れる。町はこの川で大まかに分けられており、駅やミラベル公園のある北側は比較的新しい建物があり、建物自体の大きさや間隔にも余裕がある。ホーエンブルグ城の麓にあたる南側はとにかく密度が高い。ゲトライデ通り(Getraeidegasse)というメインストリートがあるが、通りというより小路程度の広さである。が、ここにモーツアルト誕生の家から、有名なカフェやレストラン、ブディック、お土産物屋が集中している。店の裏側かと思われる中庭も見逃してはならない。以外とおしゃれなインテリアショップが営業していたりする。この南側はゲトライデ通りに限らず、観光客で溢れている。平日の昼間でもかなりの人出だ。観光地という理由もあるだろうが、やはり狭いことが影響しているように思われる。
ホーエンブルグ城から町を見下ろすと、この二つの地域の違いが良く分かる。そして、この町には教会がやたらに多いことも分かる。教会の鐘塔だらけなのだ。サルツブルグは司教座が置かれている、宗教の町なのである。
さてモーツァルトは、雨が多く、混み入っている、彼にとっては陰気なこの町を嫌い帰ることを拒んだようである。私もごちゃごちゃして、いつも混雑しているこの町が好きではない。ただし、幸運にもこの町で雨にあったことはないので、モーツァルトが嫌がる程雨が多いとは知らなかった。しかし、日本人にこの町のファンは多い。音楽好きが理由の方もいるようだが、こじんまりしていて、おしゃれな店が多く、人当たりのいい(観光客慣れ?)ところがはまる理由らしい。住むんだったら、絶対サルツブルグだと言い切る人を何人か知っている。その人のサルツブルグへの思いを聞く度に、私は愛想笑いをするしかない。(同感はできないが、この町が好きなのはその人の好みの問題である。私にとやかく言う権利はない。)
サルツブルグは観光客が多いわりには宿泊施設が不十分だった。この小さな町で大型ホテルを建設するのは容易なことではなかったので小さなホテルが多く、部屋も狭いため安宿感のするホテルも多かったようである。特に音楽祭の季節は予約を取るのも容易でなかった。ただし、近年のモーツァルトブームの為か、町が真剣に観光を見直したのか、大型ホテル、小さいけどおしゃれなホテルの建設(建物の改装の場合もあるけど)が目立つ。ウィーンから列車で3時間、日帰りできなくもないが泊まり易くなったのは嬉しい。ただ、私が行くかは別の話しだが。

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