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リート(葡萄畑:Ried)という重み
グリンツィングがグリンツィングである理由

2008.04.12

グリンツィング(Grinzing)はオーストリア一のホイリゲ街である。観光客が多い、偽ホイリゲ(ホイリゲ風レストラン)ばかり等、悪評はいろいろ聞かないわけではないが、そのことを否定する人は少ないだろう。
では、如何にして、グリンツィングはオーストリア一のホイリゲ街に成り得たのか?
「オーストリア観光局やウィーン市観光局が宣伝しているからだよ。」
「ガイドブックに乗ってるもん。」
そうなのである。それは非常に正しい答えである。でも、それらはグリンツィングがオーストリア一のホイリゲ街であることを確立したが故の結果である。始めから一番が存在したわけではない。
始まりは18世紀、ホイリゲが時の皇帝ヨーゼフ2世に認められた頃である。葡萄畑の近くに、葡萄農家がホイリゲを次々と開業していった頃である。ウィーン市民もワイン目当てに各所にできたホイリゲを訪れたに違いない。店構えや料理には制限があったので(何せ皇帝が許可したホイリゲの条件は、「ウィーン郊外の一定の畑で取れた葡萄を使い、その葡萄からできた新酒のみを、自らの農家の軒先で飲ませたり販売してもよい。」というものだったから)、ホイリゲの人気を大きく左右するのはワインの出来つまり美味さしかなかった。皆、美味しいワインを飲ませてくれるホイリゲに集まっていった。美味しいワインができる処にホイリゲも集まっていった。そして、グリンツィングができた。
「違うだろ!?ホイリゲで飲ませているのは、ボトリングできないようなクズワインだろ?」
そんな声が聞こえなくもない。
さて、ホイリゲで飲んだワインは、本当に不味かったですか?
ウィーンのワインはホイリゲ(居酒屋)でホイリゲ(新酒)として、観光客が飲み尽してしまっている。そんな都市伝説(のようなもの)をまだ信じているのですか?
ここで、リートの話をしたい。リート、なんとも難しい言葉だ。辞書を見ると「葡萄園」とあった。そう、畑のことだ。だが、そこにはその畑の土壌や気候(日照時間や降雨量も含む)までも含まれている。その畑の葡萄の出来まで含まれている。
かなり大雑把に見て、ウィーンには3つのリートが存在する。カーレンベルグ(Kahlenberg)の麓に広がる、グリンツィングも含むドブリンク(Dobling)地区。ドナウ河東岸でウィーンの最も北に位置する、シュタマースドルフ(Stammersdorf)も含むフロリスドルフ(Floridsdorf)地区。ウィーンの南端に位置する、リーシング(Liesing)地区。そして、殆どのホイリゲ街がこの3つの地区に属している。
ワインの専門家でもないので、詳しい説明はできないが、この3つのリートの中で最もいいワインを生産しているのがドブリンク地区である。石灰質土壌のこの地域は、ウィーンだけでなくオーストリアでもかなりハイクラスのリートを持っている。他の2つの地域が駄目とは言わない。それぞれ特色のあるリートだ。しかしながら、ドブリンクに比べると見劣りしてしまうことは否めない。フロリスドルフはどちらかと言えばホイリゲ(新酒)向きというか、テーブルワインクラスのワインが多い。比較的温暖なリーシング地区は赤ワインの生産量も多くなるが、やはりクラスは低くなってしまう。

ドブリンク   ドブリンク

回りくどい説明をしたが、グリンツィングの畑で取れる葡萄から造られたワインは美味しいのである。オーストリアでもかなりの上位にくる。だからグリンツィングに畑を持っているホイリゲのワインも美味しいのである。それが評判を呼び、グリンツィングにホイリゲが集まり、それ目当ての人々も集まったのである。
「グリンツィングに行くのは観光客だけ。」
「地元の人が行くのはこちらのホイリゲ街。」
なんて話をよく聞くが、それは物事の一面しか見ていないような気がする。人が集まるには集まるだけの理由があるのである。オーストリアワインを知れば知る程、グリンツィングのリートのレベルの高さを知ることになる。飲み比べれば、飲む比べる程、グリンツィングのホイリゲの味の良さを知ることになる(一部の例外はあるが)。
人の行かない処にいくのが好きな私ではあるが、人の後をついて行くのもたまには悪くない。人の集まる処にはそれなりの理由があるものだ。