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オーストリア政府観光局
オーストリア2ジャパン
オーストリーワインマーケティング協会

 

其処は既にホイリゲではない
マイヤー・アム・プファールプラッツ
(Mayer am Pfarrplatz)

2009.08.23

ハイリゲンシュタット(Heiligenstadt)からバスに乗りハイリゲンシュタット教会の前で降りた。観光客らしき人達、しかも日本人ばかりと一緒だ。彼らはバスが来た方向に歩いて行くが、私はこの地域のホイリゲの様子を見たかったので、バスが行く方向に歩き出した。バスが走っている通りを1本入ると、この辺りもホイリゲばかりだ。よく晴れた5月の夕方、ホイリゲの庭の席はいっぱいになりつつある。
マイヤー・アム・プファールプラッツ(Mayer am Pfarrplatz)、そのホイリゲを選んだ理由は一つ、興味があったからだ。

にぎわうホイリゲ街 マイヤー・アム・プファールプラッツ

ホイリゲのサイトを運営していて、読者からのメールの中にそのホイリゲは頻繁に登場する。だが、私は行ったことがない。読者の感想はまちまちだし、私には批判もフォローもできない。みんなが行っているのなら、私も行ってみよう。まぁ、そんな感じだ。
庭に入ると、もう席は殆どなかった。先程のバスで一緒だった日本人達もいる。入って直ぐの席が空いていたので、仕方なくそこに掛けた。庭が入口に向って傾斜になっているので、椅子が安定しない。座り心地は最低だ。それでもなんとか気分を落ち着かせて、他の席を見渡した。
そこにはホイリゲとしては、実に奇妙な光景が広がっていた。
ワインクーラに冷やされたワインボトル、ワイングラス、ワインリストを見ながら注文する客、ワインボトルを運んでくる給仕。しかも、ホイリゲなら客が席に着くとすっとんでくる給仕が私の席には来ない。私はまるでレストランのように給仕に合図して、わざわざオーダに来てもらい、ホイリゲ(新酒)とミネラルウォータを注文した。
カウンターに料理を買いに行く。席の数の割にはカウンターが狭い。その奥では料理人が料理を準備している。作り置きが基本のホイリゲでは有得ないことだ。しかも注文した料理を電子レンジで温めてくれる。(ホイリゲで電子レンジなんて見たことない。)私は唖然としたまま、温まった料理を席に持って帰る。

此処は既にホイリゲではない。

ホイリゲ(新酒)の味もいいし、温めてくれた料理も不味くはない。
でもこの店には、ホイリゲに必要な多くのものが欠けているし、ホイリゲに不必要なものが多すぎる。ウィーンによくあるホイリゲ風レストランとも違う。違い過ぎる。

テーブルにはワインボトルとワイングラス 温められた料理とホイリゲ(新酒)

ご主人は庭の入口近くに立って、客の様子に常に目を配っている。新しい客が入ってくると駆け寄るように注文を取りに行く。新しい客の席がなかったら、先客と交渉して席を空けてくれる。
カウンターの向こうの奥さんは朝早くから料理をしていたのに、休む間もなく客の為に料理を切り分けている。それでも夜7時を過ぎる頃には用意した料理は売り切れてしまう。あとはプレッツェルぐらいしか残らない。
そのホイリゲにはホイリゲに必要なものは全て揃っているし、不必要なものは何もない。

ここは家族経営 ワインはグラスだがホイリゲ、料理は切り分けられただけ