コーヒーには水が付いてくる カフェでの正しい過ごし方
オーストリアでレストランやホイリゲ、カフェに入って席についても水は出てこない。水も立派なドリンク・メニューで、数種類の水を置いていたり、値段もグラスワインより高かったりする。とにかく日本の様に食べ物だけ頼んで、飲み物は無料の水あるいはお茶で済ませるということはできないシステムが確立されているのだ。
ホイリゲやカフェで飲み物だけ飲む場合は、まぁ水は無くてもいいかと思うのだが、何故かコーヒーを頼むと水が付いてくる。銀色の金属製の小さなトレーに、コーヒーと小さなコップに入った水(しかも炭酸水ではない)がセットで出てくる。スプーンは必ず水の入ったコップの上に置かれている。決まりのようなものがあるのか、定番なのかは知らないが、殆どのカフェが採用しているので、一種の常識のようなものなのだろう。水を入れたコップは小さく、水の量も多くはないが、喫茶店で水を飲みなれた日本人には嬉しい。
ところで、カフェというのはガイドブックにも書かれているように、単に飲み物を飲んだり、トルテを食べに入るところではない。観光客の多い有名なカフェや表通りのカフェは回転率もよく、確かに寛ぐという感じは薄くなってしまうようだが、裏通りにある昔ながらのカフェは、庶民の居間のような感覚が今でも息づいている。私もよく2・3時間もカフェで本や新聞を読んで過ごしていた。
こんな時、このコーヒーの水が嬉しい。コーヒーを飲み終えたあと、僅かな量だが水があるのはいい。本などを読みながら、この水を少しずつ飲む。そのうちウエイター(ウェイトレス)の交代時間が来て、コーヒーを清算する。新しいウエイターに代わっても、新しいオーダーを要求されることはない。そのまま、居ても言い訳だが、この辺りで白ワインを1/8頼み、それを飲み終えたらカフェを後にする。丁度、夕刻のいい時間になるのだ。
最近はホイリゲに行くばかりで、カフェで過ごすことが少なくなった。カフェで過ごしている時が、最もウィーンにいる気がする。時間の流れが日本と違う。そこに、日本のように水の付いてくるコーヒー、日本人でなくても長居派にはいい。