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オーストリア政府観光局
オーストリアワインマーケティング協会

買物篭が正解
スーパーでレジ袋はくれない

2005年

ビラ   ユリウス・マインル

一部の高級店を除いて、オーストリアのスーパーではレジ袋は無料ではない。だから黙っていると商品だけを渡される。勿論、日本のスーパーで見かける、支払済みを示すテープもない。皆、適当に鞄に入れたり、日本式に言うところのマイバック的なものや、以前に購入したレジ袋を使いまわししている。
ママは何時も買物篭を下げて買物に出かけていた。随分昔に私の母親が使っていたのと同じような買物籠だ。形も大きさも似た感じだったと思う。
正直なことを言うと、私は最初、ママが何故買物篭を下げているのか理由が分からなかった。日本では不要な物の1つになってしまっていた時代である。毎日、買物籠を下げてスーパーに行く姿は、当時の私には異様に映った。
ある日、帰りにちょっとした買物を頼まれた私は、きれいに折りたたんだビニール製の袋も一緒に渡された。広げてみると、どうもスーパーのレジ袋のようなのだ。ただし日本の物よりは厚手で、取っ手もしっかりしている。
「これに入れてくればいいから。」
ママには言われたが、あまり理解はしていなかった。まさかスーパーでレジ袋をくれないなんて、日本の習慣に慣れきっていた私には考え付かなかったのだ。
スーパーの構造も日本とはちょっとだけ違う。入口がゲート式になっていて、レジを通らなければ外には出られない。何も買わなかった場合は、レジの係りの方に断らなければならない。
商品の陳列や売っている物も同じような感じだが、野菜がパック詰でないのが新鮮だった。
頼まれた物を籠にいれて、私はレジに並んだ。
レジも日本とは違う。コンベア式になっていて、客は買う商品をコンベアの上に置いていく。籠ごと出してはいけないのだ。前の客の商品との境には金属の棒状の物を置く。私は最初分からなかったので、レジの方が置いてくれた。前の客の精算が済むとコンベアが進む、私の番だ。レジの方は商品をコンベアから取っては、レジを通して、後ろのスペースに置いていく。客は置かれた商品を、すばやくスーパーの籠にいれるか、マイバックに入れていくのである。とりあえず、スーパーの籠に入れた私は、袋に移しながら考えた。「買物籠が便利なのよね。」
確かに買物篭だと、レジで商品を受け取りながら、そのまま入れやすい。袋はどうしても広げなければならないから、1度籠にいれて、また移し変えなければならない。ママが正解である。
後日知った事だが、レジ袋も必要なら売ってくれるようである。でも、買っている人は見たことがない。古いレジ袋を持っている人はよく見かける。レジ袋を買うなんて、かなりの贅沢というか、無駄なことのようだ。
以後、私が取っている行動は単純である。コンベアに商品を並べたら、すばやくマイバックを取り出すか、鞄の口を開き、精算が始まると同時に次々掘り込んでいくのだ。多少の不備はあとで直せばいい。買物篭が便利だが、普段持ち歩くにはちょっとじゃますぎる。でも、レジ袋の有料化が取り沙汰されている今の日本である。買物篭の復活もあるかもしれない。