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オーストリア政府観光局
オーストリアワインマーケティング協会

ブルゲンラントの青い空

2009.12.20

その町に帰ったのは1年振りだ。両親を引取ってからは頻繁に帰っていると思う。両親が喜ぶからだが、自分の為でもある。両親のストレスは家庭の和を乱す。ストレス解消にその町はいい。
お母さんと一緒にショッピングセンターまで夕飯の買出しに行く。お母さんが何時も買い物をしていた店だ。アルツハイマーが悪化してからは、あまり行っていなかったようだが、今は違う。私に鍛えられて、京都でも買出しを楽しんでいるお母さんだ。買う物も積極的に選んでくれるし、足取りも軽い。
両手いっぱいの荷物を持った帰り道、お母さんと見上げた先に、その空が広がっていた。
そして私は、何故ブルゲンラント(Burgenland)が好きなのか、その答えを見付けてしまった。

故郷   故郷

ウィーン南駅(Südbahnhof)を出発した列車は東へと向っている。ブルック・アン・デァ・レイタ(Bruck an der Leitha)ぐらいまでは空に浮かんでいた雲も、今はすっかり姿を消してしまっている。日差しは秋のものではない。乗客の中には半袖どころか、タンクトップになっている人までいる。
そこはまだ夏なのだ。
病の為、直射日光をできるだけ浴びないように言われている私は、日焼け止めを2回も塗り、その覚悟を決めた。多少体調を崩すことがあろうとも、そこは行くに値する場所だ。

ブルゲンラント   ブルゲンラント

私はブルゲンラントが好きだ。それは長くの間、美味しいワインがあるからだと思っていた。特にノイシードラ湖(Neusidler See)周辺は、私の好きな辛口の白ワインを産している。有名なのは極甘口のデザートワインだが、辛口ワインの美味しさも半端じゃない。白ワイン通にはたまらない。
だから、ブルゲンラントに行くのだと思っていた。
乾いた風とノイシードラ湖からの湿度、中央ヨーロッパとは思えない濃く青い空、ウィーンの人達とは明らかに違う人の気質、そして葡萄畑の緑。私が落ち着けるのはワインの旨さではなく、その気候と色のせいだ。太陽の日差しが強いために、光と影がはっきり分かれてしまう、そのコントラストがブルゲンラントの色だ。それが好きなのだ。

本州だというのに、その町の日差しは強すぎる。むしろ九州南部や四国南部に近い。空の色も青すぎた。まるでブルゲンラントの青い空のように。