サイト開設3周年 Kino_Sanは歩き続けます
このサイトを始めて間もなく3年になる。URLの2005とは、初めてオーストリアに行った年でも、初めてオーストリアワインを飲んだ年でもなく、このサイトを公開した年である。(意外と初心者と勘違いして、オーストリアワインを教えてあげましょうとか、オーストリアを案内してあげましょうメールが多いのです。そんなにオーストリアの事を知らないように思えるのかと、時々考えてしまいます。)
このピンポイントでディープなサイトを続けて来ることができたのも(勿論、これからも続けていけるのも)、私のホイリゲに対する思い入れというより、しつこく支持してくれている読者のおかげである。だいたいこのサイトを始めるまでは一般的ではないと思っていたオーストリアワインの世界も、意外と広いようだ。確かに周りではオーストリアやオーストリアワインは一見マイナーなように見える。これだけオーストリアと言っているのに、「本当にドイツがお好きですね。」とか、「ドイツワインはどれがお薦めですか?」なんて聞かれる事もある。それでも読者はちゃんといる。そしてオーストリアワインの情報を求めている。数は少ないと思う。フランスやドイツ、イタリアのワインの情報を求めている人の数とは比べることもできないだろう。だが確実にいる。
そのような状況では、インターネットのサイトというのはかなりいい選択ではなかったかと思う。公開に制限はないし、リーズナブルだし(でもちょっとだけお小遣いがなくなる)、本のようにある程度売らなきゃならない訳でもない。しかも何時でも更新できる。ワインの町の情報も最初は10程度だったのに、既に30を超えて40にせまりつつある。これだけの町にもう1度ずつ行けといわれたら、かなりの時間が必要になってしまう。(てか、疲れそう。)
私がオーストリアを離れてから20年になろうとしている。離れてからも、毎年のように行っている訳だが、最初の頃はあてなくという感じだった。彼氏もいた訳で、1日中彼の家でゴロゴロということもあった。そしてある年、オーストリア航空の機内で私は1冊の本を見付ける。「オーストリアワインと文化」という、今は見る影もなくバラバラになってしまった小冊子である。この本には私が知りたいことが全て書いてあった。オーストリアの何処でワインを生産しているか、どのようなワインが生産されているのか、詳しく地図も使って説明してくれていた。
美味しいワインを飲みたいと何時も思っていた私だが、オーストリアのワインの情報は無さ過ぎる。何処に行けばどんな品種のワインが飲めるか、そしてその何処とは?私はテルメンレギオン(Thermenregion)やノイシードラセー・ヒューゲルラント(Neusiedlersee H
gelland)付近で右往左往していたのだ。そこに「オーストリアワインと文化」が現れ、行くべき方向性を示してくれた。そして、私は歩き始める。
でも、オーストリアの田舎を渡り歩くのは簡単じゃない。列車は少ないし、バスも利用しなくてはならない。「ここに行きたい。」と思っても、どうやって行ったらいいか分からない。だから私はインターネットを検索し続けた。交通機関やワインの町の情報を探した。でもそれはオーストリア鉄道(
BB)や、それぞれの町のサイト(しかもドイツ語)を丹念に繋ぎ合わせることでしかなかった。まとまった情報や日本語のサイトは見付けることができなかった。それでも私は歩き続けた。ワインの町から次の町へと。。。
2004年(あるいはもう少し前)私は1つの結論を見付ける。「無いんだったら、私が造ろう。」そう、日本語でオーストリアワインやワインの町を紹介しているサイトが見付からないのなら、私が造るべきなのではないだろうか。そして私は保有していたxmlの技術を利用してサイトを構築し始める。情報量は少ないが2005年春にそのサイトを公開する。「ホイリゲへ行こう!」このサイトの名前である。
名前を考えるにあたり、「オーストリアワイン」でヒットした方がいいのではないかと思い、それを入れた名前も考えたのだが、ここはホイリゲを使うことにした。オーストリアワインとホイリゲは切離せない。ホイリゲを認めない人に情報を提供したくはない。ホイリゲでワインを知ったのだ。ホイリゲこそオーストリアワインそのものなのだ。
「初めてオーストリアへ行きます。ホイリゲも行きたいと思います。」
嬉しいではないか、こんな意見。その次に「えっ?」と思うような注文があっても(ホイリゲを予約しろとか、お勧めのホイリゲを10ぐらい教えろとか)、とにかく親身に応えてしまう。オーストリアワインを飲んでくれるんだったら、ホイリゲへ行ってくれるんだったら、何でもありなのだ。
さて、それでどうするのかというと、私の歩みは変わらない。アルコールも制限されているのに、相変わらず歩き続けている。でも、誤解されている方に少しだけ。
私が歩いているのは珍しい町でも観光客相手のホイリゲ街でもない。立派なワイン産地、ワインが美味しいと情報のある町だ(オーストリアワインの知識がある程度ある方は分かるはずだ)。ただ行った事を自慢する為に片田舎に行っている訳でもないし、観光客の少ないひなびたホイリゲを探している訳でもない(それを自慢するつもりもない)。必要なのは美味しいワイン。それがあれば多少の無理をしても、病気でも、這ってでもそこに行くということだ。